前輪ハブベアリングの交換

 

左側前輪から「ゴーゴー」と唸り音が出てきました。
ステアリングを左に切ると音はなくなるようで、タイヤに外的な左向きの力が掛かったときに唸るようです。
走行7万キロを超えているし、もうハブベアリングが寿命のようです。

今回は前輪左右のハブベアリングを交換しました、ただ一筋縄ではいきませんでした。

決してご自分での交換はお奨めできませんが、行程を参考までに記します。

ハブベアリングは「センターベアリング」「ホイールベアリング」とも言うみたいです。

ディーラーから取り寄せたベアリング。

購入価格16000円(片輪分)。

ベアリングとハブナット、ベアリング留めのCリングの3点セット。

それでは作業開始。

タイヤを外して、車軸が回らないようにブレーキディスクにマイナスドライバー等をさしてハブナットを緩めます。

ブレーキキャリパー一式を外します。

ハブに2本のボルトで留まっています。

タイロッドエンドのテーパーボルトを外します。

このボルトを外すには写真のような専用工具(タイロッド ・ボールジョイントプーラー)が要ります。
ただこの工具、お店によっては1000円程で手に入ります。
ハンマー二本で外す人も居るようですがとても素人には真似できません。

ボールベアエリングのボルトを緩めて工具を掛け工具のボルトを回すと「パーン」という音とともに外れます。

 

あとはストラット下のボルトとハブ下のボールジョイントのボルトを外します。

マニュアルによるとストラット下のボルトの下側のボルトを抜かずに、ドライブシャフトを抜くようです。

ドライブシャフトは簡単には外れず、プーラーを掛けなければいけませんでした。

車によってはプラスチックハンマーなどで叩けば簡単にぬけたりするのですがClioの場合相当固いです。

以前シトロエンAXのハブを外したときは手で引っぱるだけで抜けました。

外れました。

ここで問題発生、写真のようにプーラーを掛けベアリング内周にはまっているハブフランジは固いながらもなんとか抜けたのですが、肝心のベアリングが各種ハンマーで叩いても、プーラーを掛けても抜けません。

普通の車なら叩いたら抜けるはずなのですが、Clioは普通の車ではなかったようです。

どうにも無理そうです、また元どおりに組むのも面倒なのでヘルプ。
自宅の近所にあるポルシェ屋さん「シェ・ル・ポ」に電話してみました。

そしたらすぐお店の人がやって来てハブ一式を引き取っていきました。
「明日には出来ると思います」と。

ところがこれが難行したようで3日かかりました。
聞けば、「ハンマーで叩けば簡単に抜けると思ったがプレスを使っても抜けなくて、火で温めながら抜いた」そうで、こんな固いのは珍しいらしい。
後でClioの権威に聞いた話では「よく切れるタガネ」を使うとか。

出来上がってきました。ベアリングがきれいにはまっています。

あとは元どおり組み立てるだけです。


お決まりの事で、ストラット下のボルトはロアアームにジャッキを掛け多少持ち上げた状態で締めます。

*足廻りのボルト類はトルクレンチを使って規定トルクで締めるようにしましょう。

最後にハブナットをしっかり締めます。
規定トルクは250Nmとかなり高め。

このナットは「再使用不可」指定ですので必ず付属の新品ナットを使います。



作業で汚れたディスクブレーキをブレーキクリーナーなどで洗浄します。

これを怠るとブレーキの効きが悪くなりますので、念入りに油分を取り除きます。

あとはボルトなど締め忘れなど無いかもう一度確認して、タイヤを着けて完了。


これが外したベアリング、ばらばらです。

唸り音の原因はここ。
深く傷ついています。

簡単に終わるはずの作業がとんでもなく難行しました。
下調べをしていなかったのも災いしたのかも。


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