アースを強化する

 

最近アース線を取り替えて強化する製品が出ているのを目にしました。
価格は2万円台と高いのですが、良い効果がでているそうです。
要するにノーマルの細い電線を太い電線或いは導電率の高い物にして、電流の流れを良くするというもの。
アースでのロスを無くすと言うほうが正しいかもしれませんが。

電流はバッテリーのプラス電極から負荷を通ってボディーやエンジンを通ってマイナス電極に帰ってきます。
(正確には負荷があるから電流が流れる訳ですが)

負荷には通常プラス電極はスイッチやリレーなどを介して直接配線されていますが、マイナスに関してはボディーやエンジンブロックを伝わり、そこからバッテリーのマイナス電極までアース線で伝わります。
すべての負荷(ECU、点火系、ランプ類、カーステレオ等)の電流は必ずアース線を通る訳で、ここが貧弱だと電圧降下を起こしたりして良くないので、しっかりした物にしようというわけです。
本当はプラス側の電線もしっかりした物にすれば一番良いのでしょうけどそれをすると大変です。

さてアース強化製品を買うお金も無いので、作ってみました。

使う線材は8〜14スケア程度のビニール電線で十分だと思いますが、その製品に使っていた電線の見た目が格好良かったので真似て作ってみました。

製品は1/3の太さで同じ電流が流せるそうなのですが、こちらとしては太くても構わないので、線径を8スケアおよび14スケア相当で作りました。

1.25スケアのビニール電線をバラした物を6〜10本束ねその外側に同軸ケーブル5D-FBの網線を被せ、それにビニールチューブを被せてみました。
この線の使用にあたっては、JIS規格など通っている訳もないので何があっても保証はないですけど。

 
実際に長さを測って電線を切り、両端に圧着端子を付けて完成。

この線をバッテリーのマイナスとボディーとエンジンに着けます。


Clioのバッテリーターミナルはご覧のような変わった形です、端子は専用の圧着式の物で、これは使用できません。 そこで今回は自動車用便利グッズメーカー、エーモン工業からでているバッテリー端子を使います。


Clioのノーマルのアースポイントはフロントラジエーターの横あたりのボディーに一箇所と エンジンの下の方(ミッションオイルの入れ口付近)に一箇所の計二箇所です。


まず既存のアース線を外します。

これはエンジン側の電線です。

黄色い矢印の太い線がバッテリーのマイナスターミナルに行く線で、赤い矢印の電線は各負荷に行っている線なのでこれはこのまま使います。


バッテリーへ行く電線を切ります。

バッテリーからは新しい電線の端子を同じ位置に取り付けます。


また端子類は長年の使用で表面が酸化したり汚れたりしているので奇麗にします。


 

ボディー側は端子の当るところの塗装が有ったので念のためカッター刃の背で剥がしました。

(写真は剥がす前)

 

ネジや端子類には導電グリスを薄く塗りました。
高電流が流れると端子などの接触抵抗が馬鹿にならなかったりします。
しっかりネジを締めれば塗らなくても問題は無いとは思いますが。

バッテリーターミナルにも塗ります。

この導電グリスは「お役立ち商品」で紹介しているCAIG社の物で確か2000円位だったと思います。

 

さて、新しい電線の取り付けです。

今回はノーマルの二箇所と、追加でエンジンヘッドとストラットタワー部に各一箇所づつ追加し計四箇所としました。

ストラット上部はタワーバーを入れている関係でネジを付けていますが、通常は無いのでイグニッションコイルの取り付けネジなんかが良いのではと思います。

あと、オルタネーターにも付けたいところですが、今回はやっていません。


外したアース線、もう要りませんが一応保存しておきます。


交換前と交換後違いをみるため電力の大きい負荷、つまり高電流の流れる負荷としてヘッドランプを使用したときの電圧降下を見ました。

バッテリーの電圧と、ランプに掛かっている電圧をてスターで測ります。

結果は以下の表の通りで、交換後の方が弱冠ランプに掛かる電圧が上がっています。

この違いが一体影響するのやらどうやら。

 

  ノーマル線 交換後
バッテリー 11.94V 11.96V
Lowビーム 11.02V 11.10V
Hiビーム 10.92V 11.03V

実際車を走らせてみました。

こんなもんで変わるはずが無いと思っていたんですが、何か違う気がします。
気のせいといえば気のせいかもしれませんが、何か気持ち良くエンジンが廻るんです。
出だしがもたつかないというか、3000回転辺りから良いというか。
人間心理として、例えばAとBの物があったとして、Aを先に試してBを後から試すと後者のBの方が良いと感じるらしいのですが、それかも知れませんが・・・・。

でも古くなったパーツを新しくするという点からもお奨めです。

ここが駄目になると電気系統は全て駄目ですから。


簡単に作れるものなので作ってみては如何でしょうか?

電線自体を作るのはお奨めできませんが、市販の電線に圧着端子をかしめて。
只、太い電線は何処にでも売っている訳ではないので、電線専門店か電気工事関係のお店で購入する事になると思います。

また最近はカーオーディオ用の太い電線や汎用キットがカーショップなどでも手に入りますのでそちらを利用するのもいいですね。


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