ドライブシャフトブーツの交換
FF車の宿命とも言えるドライブシャフトブーツの破れ。
駆動しているシャフトが舵取りで屈折するためにブーツに負担がかかりブーツのゴムが破れ易いようです。ブーツが破れると中のグリスが飛び散ってホイールの内側がグリスだらけになります。
またそのままにしていると破れた箇所から水や土、砂、ゴミ等が入りベアリングなどを駄目にしてしまいます。
うちのルーテシア16Vも破れてしまったので交換しました。
まずジャッキアップして馬を掛け、タイヤを外して、ドライブシャフトのハブナットを緩めます。
次にタイロッドをタイロッドプーラーで外します。ここはボルトをハンマーで叩いたりして抜くような事をしてはいけません、必ずプーラーを使って下さい。
あと邪魔なのでブレーキキャリパーも外しておきます。
次にショックアブソーバー下側の取り付けボルトを2本とも緩め、上側のみ1本を外しドライブシャフトが少し手前に引っぱれるようにします。
次にドライブシャフトをハブから抜く準備をします。ドライブシャフトをプラスチックハンマー等で叩いて緩む場合もありますが、固い場合はシャフトを押し込む工具を使います。
大きなベアリングプーラーでも出来ない事もないです(以前それで緩めました)シャフトとハブが緩めばドライブシャフトが抜けますが、抜きにくければハブユニットを取り外してしまいます。
次にミッションからドライブシャフトを抜きます。まず左側のシャフトから。
※インナーブーツはミッションの蓋の役目もしているので必ずミッションオイルを抜いておきます、そのまま外すとオイルが流れ出ます。きちんとミッションオイルを抜いた上でインナー側ブーツを固定しているボルト3本をはずします。
ルーテシアのA/Tモデル(MB1,AD4)はドライブシャフトがボルト6本で留まっていて、オイルを抜く必要はありません。(画像はAD4のもの)
ここは手が入りにくい所なので長いエクステンションを使って回しました。手が入るならスパナでOK。
(左の写真は組み立て時のものです)
右側のドライブシャフトのインナー側はピンを抜いてドライブシャフトを抜くタイプです。シャフトの羽目合いに固定用のピンが刺さっています。
(A/TのAD4ミッションはボルト6本留め、MB1はピン)
ピンを4mm程のピン抜きを使ってハンマーでコツコツ叩けば抜けます。抜けたピンは再利用するので無くさないよう注意します。
(組み込む時はピンを小型のハンマーでコツコツ叩き入れます)
抜けました。上が左側のシャフト、下が右側です。
外した左側のシャフトのジョイントベアリング部(トリポ−ドベアリング)にホコリやゴミが着かないようビニール袋などを被せ保護しておきます。
パックリ破れています。ここからグリスが大量に漏れたようです。
ブーツの交換をします。まず古いブーツを外します。
ニッパやペンチで2本の固定バンドを切り、外してしまいます。
ハサミでブーツを切りブーツを撤去します。その後中のグリスを綺麗に撤去します。
アウターメンバー(ハブに接続されるベアリング)をシャフトから抜きます。シャフトとメンバーはC型のリングで固定されています(矢印)。
リングの端は広げ易いように曲がっています(近鉄バッファローズのキャラクターの角みたいな形状。
これをリングプライヤーなどで広げながらシャフトからメンバーを抜きます。
ただ手で引っ張っては抜けないので、リングを広げながらメンバーに当て物をしてハンマーで叩けば抜けます。一人ではやりにくいのでシャフトを万力等で固定し、リングを広げる人と叩く人とでやった方が簡単です。
メンバーが抜けたら古いリングを外して新しいリングを入れます。
今度は組み立てて行きます。まず新しいブーツを差込み、メンバーをシャフトに差込みリングがきちんと溝にはまった事を確認します。
ブーツセットに付属しているグリスをブーツの中に全部流し込み、メンバーにブーツを被せます。
次にブーツバンドを巻きシャフトブーツプライヤーでバンドを締め込みます。このプライヤーは工具屋で1000円程で買いました、でもヤットコなどの工具でも出来そうです。
ちょっと歪んでしまいましたがこんな感じでバンドを締め込みます。
シャフト側とメンバー側の2ケ所をきちんと留めてブーツ交換は完了。あとは元通り組み直して交換完了。
組み直してショックアブソーバー下のボルト2本を締め込む時にはAアームをジャッキで持ち上げた状態でします。これはタイヤが取り付いて、荷が掛かっている状態を再現していて、これで組み直す事になっています。
最後に抜いたミッションオイルを規定量まで注いで作業は完了です。
このシャフトブーツの交換はFF車では必ず必要になる作業です。
ルーテシア1ではこのような作業で交換出来ますが、ルーテシア2ではベアリングを壊さないと出来ないと聞いています。
ご自分でされる場合はディーラー等のメカニックに相談された上での作業をお薦めします。
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