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・介護保険 苦情よく聞きよく調査
国保中央会がマニュアル作り
平成11年8月6日 読売新聞より
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介護保険が導入されても、利用者がサービスに満足するとは限らない。多くの苦情が自治体やサービス事業者だけでなく、都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連合会)に届くことが予想される。そこで、中央組織の国民健康保険中央会は、苦情処理のためのマニュアル作りを進めている。
国保連合会は市町村の委託を受け、サービス料金の支払いなど介護保険の業務を行う団体。「被保険者からの苦情を受け付ける機関」と介護保険法で位置づけられている。市町村には直接言いにくい苦情がたくさん寄せられる可能性もある。
同中央会企画部長の田中さんによると、苦情処理は相談、受け付け、調査、指導、助言、通知という流れで行う。受け付けた苦情は数人の苦情処理担当委員が輪番制で担当する。
マニュアルは、例えば利用者からの相談電話には「明らかに対象外と思われる電話でも一方的に切らず、よく話を聞いてあげましょう」「照会先はたらい回しにならないよう定期的に情報交換しましょう」など具体的な対処方法を記している。
市町村との役割分担については、厚生省が決めた介護保険の給付サービス以外のサービスについては市町村が対応し、連合会は主に解決が困難な案件について受け付ける、としている。
サービス事業者を調査する必要性があると判断した場合は事務局が調査を行い、業者に回答を求める。
申立書を受けてから通知まで60日間とするなども定めている。
田中さんは苦情処理マニュアルについて、大阪府和泉市の桃山学院大学でこのほど開かれた「コミュニティケアマネジメント研究会」で初めて明らかにした。
同会がマニュアルを重視しているのは、市町村が介護保険サービスの準備に大わらわで、どこまで苦情処理を視野に入れているか懸念があることも理由の1つだという。
田中さんは「連合会の苦情処理には権利擁護の狙いやサービスの質の向上の意味もある」と話しており、マニュアルは8月中に完成させる。都道府県の連合会は、それを基にそれぞれマニュアルを作ることになる。
北陸学院短期大学助教授の国光さんは「行政やサービス事業者にとっても国保連合会のマニュアルは参考になるのでは。だが、現実にはマニュアルだけでは解決できない事柄が多いだろう。利用者がサービスを買っているという意識を引き出す意味で、苦情処理が誠実に行われる必要がある」と話している。
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