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・介護保険料 平均2885円 市町村格差4.4倍(厚生省調査)
平成11年7月27日 読売新聞より
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厚生省は26日、来年4月から実施される介護保険制度で65歳以上の高齢者が支払う保険料に関する全国調査の中間集計をまとめ、医療保険福祉審議会に報告した。高齢者の保険料は市町村により異なるが、全国平均は1人月額2,885円で、最高額は北海道厚田村の同6,204円、最低額は兵庫県内の町の同1,409円となり、市町村格差は4.4倍に上った。厚生省は当初、格差は3倍程度との見通しを示していたが、4倍を超える見込みとなったことで、格差の緩和など制度の手直しを求める声が強まることも予想される。
調査は、全国3,252市町村(広域連合を一部含む)を対象に行われ、算出方法にミスのあった31市町村を除く3,221市町村(同)について、厚生省が補正のうえ集計した。
65歳以上の高齢者が実際に支払う保険料は、各市町村の平均額から算出される基準額を基に、所得に応じ、0.5倍、0.75倍、1倍、1.25倍、1.5倍の5段階で設定される。個人ベースでは最も高い保険料は9,306円、最も安い保険料は704円となり、市町村と所得の違いによって最大13.2倍の開きが出ることになる。
各市町村の保険料の分布状況を見ると、全体の90.4%が2,000円以上4,000円未満の範囲だった。ただ、5,000円を超えた7市町村を含め、3,000円以上の市町村が厚生省の予想より多く全体の29.7%あったため、当初の予想より格差が広がった。
人口規模別では、50万人以上が3,058円と最も高く、人口が少ないほど安い傾向が見られた。
厚生省では、保険料が高い市町村の特徴として
@主として長期療養を必要とする患者を収容する医療施設「療養型病床群」を含む介護施設が多い
A要介護者の発生率を全国平均12%より高めに設定している
をあげている。
厚生省は都道府県、市町村別の保険料平均額を公表していないが、読売新聞の調べでは、高知県3,900円程度、徳島県3,300円程度、福岡県3,300円程度、北海道3,202円など、療養型病床群の多い北海道や中国、四国、九州が高い傾向にある。
基本的には全国一律の40−64歳の人が支払う保険料は、65歳以上が支払う保険料の全国平均とほぼ同水準となる見通し。
介護保険は40歳以上に負担を求めることや、市町村間の保険料格差への懸念から、実施延期や制度の見直しを求める声がある。
自民党はこうした反発を考慮し、来年4月から予定通り実施できるよう、65歳以上の保険料の半額を国が一律に肩代わりする方針を固めている。しかし、自由党は全額を消費税でまかなう「税方式」への転換を求め、公明党は在宅介護のみを保険料でまかない、施設介護は公費で負担するよう主張しており、保険料の市町村格差が予想以上に広がっていることで3党協議の調整は難航しそうだ。
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