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・臓器移植 「脳死は死」最高の56%
「カード所持」7% 昨年の3倍に増加
平成11年5月30日 読売新聞より
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臓器移植法に基づく脳死臓器移植が、今年に入って相次いで行われる中、「脳死は人の死」と考える人がこれまでで最高の56%に上っていることが、15、16の両日に実施した読売新聞社の全国世論調査で明らかになった。脳死移植に不可欠な「臓器提供意思表示カード(ドナーカード)」を持っている人も、昨年の3倍以上に増えており、移植医療への理解が進んでいることがうかがえる。
「脳死になったら、死と判定してもよい」は、前回の昨年2月調査(52%)から4ポイントアップ、1982年の第1回調査以降で最も高い数値になった。ドナーカードを持っている人は、前回調査では2%にすぎなかったが、今回は7%に増加。カードを「持ちたいと思っている」23%を合わせると、脳死臓器移植に関心がある人は3割に達している。
また、今年2月末に実施された初の脳死判定による心臓、肝臓などの移植をきっかけに、脳死や臓器提供について考えたり話し合ったりした人は62%で、こうした人では、カード所持が10%になっており、移植の実施が国民意識に大きく影響していることがわかる。
ただ、「自分が脳死になったら臓器を提供してもよい」は49%で、97年4月調査(50%)から変化はなかった。また、脳死移植に関する不安では、「患者や家族のプライバシーが守られないかもしれない」42%、「脳死判定が正しく行われないかもしれない」34%など、何らかの選択肢をあげた人が8割を超えており、脳死移植が身近なものになったがゆえの迷いや不安も少なくないようだ。
一方、現在は本人の意思が明らかな場合以外は認められない脳死での臓器提供を、家族の承諾だけでも可能にする案については、「反対」が55%と過半数を占め、「賛成」41%を上回った。
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