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介護保険証 1人1人に
市町村、来春までに郵送
平成11年3月21日読売新聞より
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来年4月からスタートする介護保険にも、保険証があるのをご存知だろうか。健康保険と同じように、介護保険でも保険証さえあればすぐ介護してもらえるのだろうか。介護保険の仕組みを理解するためにまず、意外と知られていない介護保険証の交付時期や役割などを取り上げてみた。
今、北海道から沖縄まで全国の市町村が介護保険施行に向けた作業に追われている。東京都品川区でも、主な利用者となる「第1号被保険者」の台帳作成などに大わらわ。65歳以上の区民約5万人が対象で、保険料も各自の負担となる。保険料払い込みは来年4月から。
「来年3月までに被保険者証を郵送でお渡しする予定です」と、同区高齢者部長の新美さん。家族で共用することの多い健康保険証とは違い、介護保険証は65歳以上のお年寄り1人ひとりが持つ。他の市町村でも同様に交付の準備を進めている。
介護保険では、40−64歳も「第2号被保険者」として保険料を負担し、介護サービスの利用資格もある。しかし、こちらは原則として介護が必要になった時点で市町村に申請して保険証をもらう。
介護保険の保険証は大きさもデザインもほぼ健康保険証と同じになる見込み。違いは「要介護状態区分」「支給限度額」「有効期間」など独自の記載欄がある点だ。
健康保険では、費用の大半は保険でカバーされる。介護保険でも、費用の9割は基本的に保険から出る。しかし、「介護保険証を持って介護サービス会社などに行っても、すぐには使えません」と、厚生省介護保険制度施行準備室次長の神田さん。
本人の介護保険証を添え、居住地の市町村に「要介護認定」を申請する必要がある。受付は今年10月から。
申請後、訪問調査があり、重い順に「要介護5−1」「要支援」「自立」の7ランクに判定される。その結果が保険証の「要介護状態区分」欄に書かれる。ここまで、長ければ申請後1ヶ月はかかる。
保険証でサービスを受けられるのは在宅では「要支援」以上、施設に入るなら「要介護T」以上だ。40−64歳の場合は、原因が脳卒中など15種類の病気だけに限られる。
認定後に戻ってくる保険証には、1か月間に利用できる在宅サービス料金の合計額も「支給限度額」として書かれている。この金額は要介護度ランク別に各市町村が決める。「市町村によって格差が出ることも」と神田さん。
また、介護を受けているお年寄りの状態は変わりやすいため、要介護認定は基本的に半年ごとに受け直さなければならない。その期限は、保険証の「有効期間」欄を見れば分かるようになっている。
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