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浴室−転ばぬ先の対策
読売新聞より
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家庭内の快適空間のはずの浴室で、転倒してけがをするケースが少なくない。特に小さい子どもやお年寄りがいる家庭は要注意だ。服を脱いでいるため、けがも重くなりがち。手軽にできる安全対策を講じておきたい。
東京消防庁が昨年1年間に扱った救急搬送のなかで、浴室での転倒事故は422件だった。うち、入院したものが125件。浴槽のへりや床に頭をぶつける事故が多い。なかには、主婦が転んでガラス扉に手をついた途端ガラスが割れ、破片で手首を切るなどの大怪我をした例もある。
「浴室は、家のなかでも危険度の高い場所の一つ。特に身のこなしが鈍くなった高齢者が危ない」と話すのは、日本DIY協会参与の西沢さん。西沢さんが勧める対策は、床や浴槽内に滑り止めを張りつけることと、扉のガラスにフィルムを貼ることの2つだ。フィルムはガラスの飛散を防ぎ、けがを大きくしない効果がある。
滑り止めは、主に塩化ビニール製で、表に細かい凸凹があり、裏には接着剤がついている。角型や帯状のもの、子どもが喜ぶクマの形をしたものなどがある。5、6枚入りで、500〜900円ほど。DIYショップなどで手に入る。
まず、貼る場所を決める。浴室で最初に足をつく場所や、腰を下ろして身体を洗うときに足をつくようなところを選ぶ。脱衣所から足を踏み入れたときや、立ち上がるときに転ぶことが多いからだ。
浴槽内にも貼る。入浴の姿勢から軽くひざを曲げ、足の裏がつく場所だ。高齢者の場合、浴槽で立とうとして足を滑らせ、身体を打ったりおぼれたりすることもある。貼る部分の汚れをよく落とし、十分乾かすことを忘れずに。「手すりを取り付けると一層安心です」と西沢さん。
飛散防止フィルムは、透明なもの、すりガラス調のものなど様々ある。塩化ビニール製のものが多く、価格は1000〜2000円ぐらい。1枚で済むように貼るガラスより大きいサイズを選んだ方がいい。
霧吹き、プラスチック定規、カッターナイフ、スキージーと呼ばれる専用ゴムべらを用意する。すりや模様の入ったガラスなら、つるつるした面に貼る。フィルムを、ガラスの大きさより縦横2cmほど大きめにカット。200ccの水に中性洗剤を2、3滴入れたものを霧吹きでガラスに吹き付ける。フィルムの接着剤の付いた面にも吹き付け、ガラスに押し付ける。
次にフィルムの表にもスプレーし、スキージーで中心部から外側に向かって水と空気を追い出し、ガラスの縁から2oほど内側に定規を当ててフィルムをカット、もう一度スキージーを当て仕上げる。
西沢さんは「同じ要領で、食器棚などのガラスに貼り、地震対策もとれます」と話している。
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