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「骨髄バンク」発足から7年。
提供登録者新目標30万人。
12/17読売新聞より
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白血病などの治療法、骨髄移植の骨髄液提供者(ドナー)が登録する「日本骨髄バンク」が発足して7年。当初の登録者目標10万人は達成したが、新たな目標が30万人となった。バンクを運営する骨髄移植推進財団(0120−445−445)などは、一層の理解と協力を求めており、今月、大阪でも登録を呼びかける集会が開かれた。
骨髄移植は、血液をつくる造血幹細胞を含んだ骨髄液を健康な人から採取して、患者に移植するもの。双方のHLA(白血球の型)の適合が移植の条件となるが、その確率は、兄弟姉妹間で4分の1、非血縁者間では数百から数万分の1でしかない。
財団によると、ドナー登録者数は10万6348人(11月末現在)。バンクを通して移植を受けられた患者は1804人。今も1594人の患者が移植を待ち望んでいる。
バンク設立当初は、10万人の登録があれば患者の80−90%にドナーが見つかると推計されていた。96年から、白血球の遺伝子配列を調べる検査で適合をみるようにしたところ、精度が増し、成功率がアップ。この方法だと約80%以上の患者にドナーを見つけるには30万人の登録が必要で10万人を達成した今夏、財団が目標を変更した。
これに伴って財団はドナー登録の手続きを簡素化、登録希望者は、直接、検査窓口へ電話で検査を予約できるようになった。また、登録のしおり「チャンス」も改訂し、登録や移植の流れを理解しやすい内容で紹介しているほか、骨髄データセンターなど検査窓口のリストも掲載した。
12月は「骨髄バンク推進月間」。大阪市内では、大阪府主催の「『骨髄バンクって何?』『骨髄移植って何?』セミナー」が開かれた。今夏に移植を受けることができた女児(8)の母親(36)、ドナーになった男性(41)、移植を待ち望んでいる慢性骨髄性白血病の女性(28)らが、それぞれの思いを語った。
女児の母親は、ドナーへの感謝の気持ちを表しながらも、「同じ病棟にいながら、片方にはドナーがいて、片方にはいないという現実がある。患者みんなに平等にドナーが与えられれば」と訴えた。
ドナー経験のある男性は、自分の子どもが別の病気で入院しているときに「チャンス」を見たのがきっかけで登録。「子どもが退院することができ、世間にお返しできたらと申し込んだ。献血より少し手間かな、という程度の気持ちで提供した。バンクからまた要請があればするつもり」と話した。
一方、患者の女性は「いつ病状が悪化するかわからない恐怖を抱えて生活している。移植への不安もあるが、チャンスがあるならかけてみたい」と静かに語った。
会場の参加者からは「(脳死後の)臓器移植の提供意思表示カードがあれば骨髄移植ができるとか、いまだに骨髄移植は骨を削ると誤解している人がいる。もっとPRしてドナーを増やす努力を」という声があった。
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